マネジメント

management

マネジメント2022.9.13

組織を強くする採用と多様性

この記事では採用についてクリニックで活躍できる人材を狙って採用する方法と組織の強化に繋がる多様性の取り入れ方についてお伝えしています。
良い人材を採用したい、とお考えの先生は是非ご覧ください。

■活躍人材を採用するには

採用を行うにあたり全ての院長先生に共通していることが「良い人を採用したい」です。
これに異論がある先生はいらっしゃらないと思います。
しかし、どのような人材が“良い人”か?となると全く同じ意見が上がることは無いでしょう。

これは単純なスキル(検査スキルや疾患への知識など)だけが採用基準となるのでは無く、クリニックが持つ風土やカラーとその人のキャラクターがマッチするかどうかも判断基準となるためです。

風土やカラーは院長先生の診療理念や経営方針、院長先生の人柄をベースに働かれているスタッフさんのキャラクターの影響を受けて形成されるため、クリニックによって異なります。このように風土やカラーに違いがあるので自ずと採用の判断基準も異なってくる、ということです。

スキルが優れた方でもクリニックに馴染めないと本来のポテンシャルが発揮できず、入職後に活躍できないばかりか人間関係に問題を抱え退職に繋がる恐れがあります。
ですからクリニックの風土やカラーとその人のキャラクターがマッチしているかどうかは判断基準として重要度が高いと言えます。

採用において「クリニックの風土やカラーとその人のキャラクターがマッチしているのか」が重要だと感じられていても定性的な要素が強く、どのようにして見極めれば良いかわからない、とおっしゃる先生が少なくありません。

そこで、今回はクリニックの風土やカラーをマッチした人材の採用確率を高める方法をお伝えします。

■活躍人材の類型化

応募者の選定の方法やフィルターのかけ方を検討する前にすべき事が、活躍人材の類型化です。

「活躍人材の類型化」と言われると難しいように感じますが実際にすべき事はそれほど難しくありません。まずするべき具体的な行動としては、現在クリニックで活躍している人材をピックアップしてください。程度の差はあっても構いませんので活躍されている方を複数ピックアップできるとブレが少なくなりますのでできるだけ複数の方をピックアップしましょう。

複数もスタッフさんをピックアップできない、とおっしゃる先生は●●さんのこの部分は良い、■■さん▲▲の行動を他の皆もして欲しい、など具体的な特徴や行動だけをピックアップしていただいても構いません。

ピックアップできた方々それぞれの特徴や、先生から見られて評価できると感じられたポイントを書き出してみてください。具体的な特徴や行動だけをピックアップされた先生はそのままそれを書き出してください。

書き出す際は一つの項目を一つの付箋に書くようにしてください。

書き出した内容を見比べて近いな、と感じられる内容をグループ化していただき、2,3個のグループになるまでグループ化を進めてください。

グループそれぞれに共通する内容に通じる内容や特徴を言語化します。
(このように個別の事柄、事象を抽象化したり、まとめることをチャンクアップと言います)

こうすることで自院での活躍人材の特徴を類型化することができます。

ここまでできればこれらの特徴に優先順位をつけ、優先順位の高い特徴を満たしている、あるいは複数の特徴を兼ね備えていると思われる人材を選ぶだけです。
求職者の選定にあたっては活躍人材の特徴を兼ね備えているかどうかを見極められる質問を面接で投げかけてください。

例えば打たれ強さを見るためであれば挫折経験とそこから立ち上がった経験をヒアリングするなど、レジリエンスの高さを見極めるような質問をすると良いでしょう。
地頭の良さを見るのであれば一次面接の際に筆記試験を加えても良いでしょう。
この様に活躍人材を類型化することで面接で確認すべき事項が自ずと定まってきます。

面接で何を聞けば良いかわからない、通り一遍のことしか聞けておらず意味ある面接にしたい、とお考えの先生には特にお勧めですので時間を割いて活躍人材を類型化していただければと思います。

ここまでお読みの先生の中には活躍人材ばかり採用できれば良いが、そんなに都合良く活躍できる特徴を持った人材が応募してくるわけでは無い、とお感じになった先生もいらっしゃるでしょう。
確かにおっしゃる通りです。
その場合の対応は2つです。

  • 募集媒体を増やす、求人広告サイズを上げる、などを通じて応募者数を増やす
  • あえて活躍人材とは違うタイプの人材を採用する

今回は「あえて活躍人材とは違うタイプの人材を採用する」ことについてお伝えしていきます。
(前者の応募数の増加についてはこちらの記事もご覧ください)

■あえて活躍人材とは違うタイプの人材を採用する

同じ様なタイプのスタッフさんに囲まれていると生産性向上やクリニックの雰囲気が良くなることが多いため、基本的にはどのようなシーンであってもお勧めの方法なのですが、同質の人材しかいない組織の弱点として変化に弱い、という点があります。

例えば全員が明るく前向きで努力家だけれどもリーダーシップがある方がいない組織の場合、新型コロナのような一気に短期間で院内体制を整備しなければいけない状況に見舞われた時、話をまとめられるスタッフさんがいないので先生が自分で陣頭指揮を執る必要があります。

「感染対策をどのレベルで実施するか」といった経営に直結する判断は院長先生自身で行う必要があるのですが、受付にビニールカーテンをつけるのか、消毒液はどこに置くか、どのようなポンプが良いのか、などスタッフさんでも判断ができるような細かなことまで先生が判断しなければいけないとなると話が変わってきます。

他の例としては慎重な判断が必要となるシーンで明るく楽天的なスタッフさんばかりだと院長先生とスタッフさんでは物事の捉え方が異なるため、やはり自分で判断・行動しなければいけない、という状況に見舞われます。

他にも同質の人材だけ固まっていると同じような判断、考え方に陥ってしまい停滞を生みやすい、というデメリットがあります。

ある一部上場企業の品質管理の部長の方に聞いたのですが、品質管理という部署の性格上几帳面で真面目な性格の方を採用している一方で、ブレークスルーを起こすことを期待してあえて破天荒な方を一部採用されているそうです。
こうすることで同じ様な考え方の人では思いつかなかったアイデアが生まれる余地を残しているというわけです。

これらのように、全く異なるタイプの人材を意図して採用することで変化に強くなったり、ブレークスルーが期待できる、という強みが生まれます。(現代社会において積極的に多様性が叫ばれるのも停滞した状況を打破したいと考える組織や風潮が背景にあるのかもしれません。)

ですから活躍人材を中心に採用しながらどうしても応募者にそのような人材がいないとなった場合は、あえて異なったタイプの人材を採用されると良いでしょう。

異なったタイプの人材は冒頭にお伝えしたように組織に馴染めないというリスクもありますのでそこは先生が面談時にフォローする、リーダーに意図を伝えて馴染めるように積極的に動いていただく、などの入職後のサポートも用意しておきましょう。

■最後に

今回は採用を通して組織を強くする方法について活躍人材の類型化から採用についてお伝えし、中長期的な目線でさらに組織を強くする方法として活躍人材とは違うタイプの人材を採用することでクリニックに多様性を取り入れるメリットをお伝えしました。

少子高齢化が進み、現役世代の人口が少なくなることでクリニックの採用も徐々に難しくなってきています。

そのような状況を踏まえ、「なんとなく良さそうな人を採用する」から「面接で活躍できる可能性が高い人材を見つけ出して採用する」へシフトしクリニックの成長に繋げていただければと思います。

お問い合わせ
無料経営相談
無料メルマガ登録