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オペレーション2023.1.30

診療時間の延長が経営に与えるダメージ

この記事では眼科クリニックにおける診療時間の延長が経営に与えるダメージについてお伝えします。

■診療時間の延長が経営に与えるダメージ

恐らくほぼ全ての眼科クリニックの院長先生が「診療時間が延長することは良くない」「標榜時間内に診療を終わらせたい」とお考えのことだと思います。

改めて診療時間の延長がクリニックに与えるダメージを考えていきましょう。

■患者満足度の低下

まず思い浮かぶ点が患者満足度の低下でしょう。

長い待ち時間はそれだけで不満足の要因となり、大きく満足度を低下させてしまいます。

恒常的に待ち時間が長引いているクリニックで、患者さんの待ち時間を気にされている先生が挨拶もそこそこに「大変お待たせしました」「お待たせしてすみません」などと謝罪から診察をスタートされている姿を拝見したこともあります。

実際に医師会が実施している「日本の医療に関する意識調査」の結果を見ても受けた医療に満足していない理由のトップは「待ち時間」です。

出典:日本医師会 第7回 日本の医療に関する意識調査

ここまでは認識されている先生が多いと思いますが、この待ち時間を原因とした不満が新規患者数の減少を招いていることまで認識されている先生は少ないのではないでしょうか?

●待ち時間が新規患者数を減らす?

以前から長時間の待ち時間が発生しているクリニックでは、それを上回る特徴や強みが無い限り、「あの眼科は待たされるよ」「●●眼科クリニックを受診したら半日が潰れてしまう」といった形でマイナスの口コミが発生しており、新規患者数が伸び悩む要因になっていました。しかし、人づてに起きる口コミの伝播力は限られており、大きく新規患者数を減少させるほどではありませんでした。

しかし、Googleの口コミが登場したことで、ある1人が発信した待ち時間に関するネガティブな情報と一つ星は恒久的にWEBに残ることとなり、WEBを経由してクリニックを知った方に広くその情報が伝わるようになりました。

その結果、Googleで「待ち時間が長い」と口コミされるとWEB経由の新規患者数が伸び悩み、複数人が同様の書き込みをすると目に見えてWEB経由新規患者数が減少するようになりました。

ですから先生方は患者さんの院内滞在時間や診療効率を考える際に、待ち時間が長くなり不満に思われるとその患者さんを失うだけでは無く、将来にわたって新規患者数を減少させる恐れがある、と認識してご判断いただくと良いでしょう。

■従業員満足度の低下と残業代の増加

次に思い浮かぶダメージは従業員満足度の低下では無いでしょうか?

残業代が増える、という形で思い浮かばれた先生もいらっしゃるかもしれません。

これは経営者側の視点で捉えるか、従業員側の視点で捉えるかの違いであり、本質的には同じ「労働環境の悪化」という問題です。

診療時間の延長が気になっている先生の中には労働時間を理由にスタッフさんに退職された経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか?

実際に厚生労働省の令和2年雇用動向調査を見てみると女性の転職入職者(=転職者)が前職を辞めた理由として「労働時間、休日当の労働条件が悪かった」が目立ちます。

出典:厚生労働省 令和2年雇用動向調査結果の概要:転職入職者が前職を辞めた理由別割合

特に20~24歳の女性では21%が労働条件を理由に転職しており、40~49歳の方も労働条件を理由に転職される方が多く見受けられます。

この年代は新卒スタッフや子育てがひと段落したベテランスタッフとしてクリニックの労働力の主戦力となることが多い年代のため、労働時間にも注意が必要です。

スタッフさんが退職するとなると、採用媒体に支払う求人コストに加え、教育コストが発生してしまうため、残業代以上に大きなコストとなってしまいます。さらに言うまでも無く、既存のスタッフさんが新人スタッフさんに変わることで戦力も低下します。

恒常的に残業が発生しているクリニックは残業代以上に大きなコストを支払う前に診療が延長しない体制を構築し、労働環境を改善していただければと思います。

■院長先生が気づきづらいダメージ

最後にお伝えするダメージは院長先生自身へのダメージです。

診療時間の延長が続くと知らず知らずの内に肉体的な負担がかかり、疲れから診療の質が低下していたり、判断力が低下していることがあります。

以前に私が開催したオンラインセミナーでご参加の眼科クリニックの院長先生向けに「診療時間が長くなり、気づかない内に疲れがたまっていたことがありますか?」という質問に対して9割を超える先生が「はい」と回答されたことがあります。

恒常的に診療時間が延長している先生はそれが日常になってしまい、気づきづらいかもしれませんが、しっかりと休養を取るためにも診療時間の延長には気を付けていただきたいと思います。

■最後に

今回は診療時間の延長が眼科クリニックの経営に与えるダメージとして

・患者満足度の低下とそれに起因する新規患者数の減少

・従業員満足度の低下と残業代+採用・教育コストの増加

・院長先生自身の肉体的疲労の蓄積

という3つのダメージについてお伝えしました。

診療効率を改善して診療時間を短縮することにデメリットはありませんので是非自院の診療効率について見直していただければと思います。

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